GET WILD,BE HAPPY

留めたい言葉,知恵,経験などを積んでいきます

【危険】おばあちゃんの放つガード不可攻撃。

先日、仕事で伺ったお宅のおばあちゃんが、

 

「今日は暑いのに大変じゃなぁ。

 お茶を入れてあげるから少し休んで行かれぇ。」

 

と、素敵な笑顔で言ってくれたので、

お言葉に甘えていただくことにした。

 

勝手口から台所に通されたとき、記憶が甦った。

フラッシュバックというやつか…

 

 

それは去年の夏、とても暑いお昼過ぎ。

 

仕事で汗だくになっていると、おばあちゃんが素敵な笑顔で、

 

「今日は暑いのに大変じゃなぁ。

 お茶を入れてあげるから少し休んで行かれぇ。」

 

と言ってくれた。

勝手口から通された台所には、メモのような張り紙がたくさんあって、

人の名前や連絡先(どうやら息子や娘、孫たちの連絡先や勤務先)が書いてある。

 

他にも、

 

「今日は晩御飯いりません ○○(息子の名)」

 

などの張り紙が至る所に貼ってある。

 

 

・・・

 

これ、忘れっぽくなるアレかな?

 

と思いながらおばあちゃんが入れてくれるお茶を待つ。

 

しかし、

 

 

出てきたのはホットカルピスだった。

 

真夏のホットカルピス。

 

なかなか喉を越さない…

 

なかなか飲めず時間がかかっている僕に

おばあちゃんは同じ話を何度も繰り返す。

 

3つの話が延々とループする。

 

1.どっからきたん?

2.暑いのと寒いのとどっちがしんどい?

3.こどもはいるの?

で1.に戻る。

 

で、僕は同じ返事を繰り返す。

 

 

 

そうだ!

去年のホットカルピスのおばあちゃんだ!

 

忘れてた。なんで気付かない俺!

 

と思いながらお茶を入れてくれるおばあちゃんを待つ。

 

相変わらず部屋は張り紙だらけだ。

机の上には『さきイカが直にばらまかれている。

完全にピンチだ。

 

今回、おばあちゃんが出してくれたのは、

 

『牛乳』

 

だった。

 

これは大丈夫なのか?

おなか壊したら仕事にならんし…

 

と思いながらおばあちゃんを見ると、

ニコニコしながら話しかけてくる。

内容はそう

 

1.どっからきたん?

2.暑いのと寒いのとどっちがしんどい?

3.こどもはいるの?

で1.に戻る。

 

完全にハメ技を決められている。

 

ガード不可攻撃だ。

 

しかし、やるしかない。

僕は、この牛乳をかわす方法を知らない。

 

(南無三!!)

 

と、牛乳をあおる。

 

ん…いける気がする。

 

でも、一口飲むとおばあちゃんがお酌をしてくれる。

 

デカいマグカップが常に満杯だ。

 

「ちょ…もう牛乳は飲めんわ~」

 

と言うと、

 

「ほんならこれを食べなせぇ」

 

とあげあんパンを出してくれた。

 

あげあんパンは怪しげなお菓子がたくさん入っている器に入れられていた。

もちろん、袋などには入っていない。完全にノーガードだ。

 

今までどこに置かれてきたのか、

誰に触られてきたのか、

わかるはずもないし、知りたくもない。

 

「散らかっとってごめんね~」

 

と言いながら机の上に散らばっている『さきイカをかき集めて、

お菓子の器にねじ込むおばあちゃん。

僕が食べるであろうあげあんパンもまだそこにある。

 

(まじか~。確かに牛乳とあげあんパンは最強のコンビだけどな…

 その攻撃力に耐えられんのか…俺の身体…)

 

ちらりとおばあちゃんを見る。

 

ニッコニコしてこちらを見ている。

 

 

(南無三!!)

 

 

思い切ってあげあんパンをほおばる。

 

 

めっちゃ冷蔵庫のにおいする…

なんか変な味する…

 

 

と思いながら、何度も同じ返事をしつつ牛乳とあげあんパンを平らげ、

 

おばあちゃんにお礼を言って外に出た。

 

 

大丈夫かな…

 

 

と思ったけど、無問題だった。

 

(丈夫な身体に産んでくれてありがとう)

 

と母には感謝しかない。

 

今度来るときにはしっかり心構えをして来よう。

 

しかし、

おばあちゃんの『やさしさ』という

ガード不可攻撃をかわす方法は見つからないだろう。